アート・ブリッヂ1301は、建国1301年目を迎える美作地域の魅力を再発見してもらうことを目的に開催される、5つのアーティスト・イン・レジデンスと15エリアで開催される展覧会やイベントをつなぐプロジェクトです。

|アーティスト・イン・レジデンス|

「風の姿・地の響」計画


公開制作・街道祭・展覧会

自然からの贈与

生きていく過程で日々様々な出来事に出会います。朝起き出した時晴れやかな青空のもと、小鳥のさえずりに清々しい気持ちになったり、体の痛みで目覚め沈鬱になったり。太陽から降り注ぐ光や見上げた夜空に感動したり。友人との齟齬に思い悩んだり。大海原を前にして己の卑小さに気付かされたり。大震災に動転したり、いたいけなこども達にも容赦なく降りかかる放射能に悲嘆にくれたり。秋の稔に自然からの贈与を悟ったり、赤ちゃんの誕生に嬉々としたり…。
 これら“外なる自然”と“内なる自然”との出会いによって起こることがらは、心に幾多もの波紋を投じていきます。いつまでも覚えておきたいこと・早く忘れ去ってしまいたいこと。乗り越えやすいこと・乗り越え難いこと。整理できること・整理し切れないこと。今も記憶していること・いつの間にか記憶から遠ざかってしまったこと…。
 記憶から遠ざかってしまったことさえ、じつは、消滅してしまったのではなく、心の襞の奥深くにたたみ込まれているはずです。
 生命の発生の最初期に、まず、襞ができるのだと言われています。その襞とそれを育む“場”には未生以前の生命記憶が存在しています。人そのものが襞に支えられているとも言えます。魂と名付けられる大切なものも実はそんなところに潜んでいるのかもしれません。
 何かを表現しようとするとき、また、そういう意識すらないときも、そんな襞の奥深くに存在していることが知らないうちに現れ出てきてしまうのではないでしょうか。だから、いつもいつも簡単に言語化できる程に分かりやすい姿をしているとは限りません。また、油断しているといつものクセが邪魔をして、そのデリケートな事象を見過ごしてしまうことさえあります。
 この心の出来事について明らかにす(三次元に出現させ)る仕事はそのことが気になってしまった人の宿命的な役割なのでしょう。上手・下手はともかくとして…。
 “外なる自然”と“内なる自然”との出会いによって生起する事象は“うれしい”“悲しい”などの違いはあっても、自然からの贈与そのものです。“作品”と呼ばれているものも、自然からの贈与の賜物です。
 ささやかであれ、どんな形であれ魂の贈与の連鎖が実現できれば幸いです。山川草木・鳥獣虫魚、共々幸せになりたいものです。
 生命に深く根差していればきっと可能なはず…。
 『ある願いを持ってひとつのことをひたすら実行し続けていくと奇跡が起こることがある(タルコフスキー)』と信じて。

作品展「ドリーム・タイム」

  • 2014年11月1日(土)〜16日(日)
  • 9:00〜17:00
  • 月曜日
  • 旧勝央町郷土美術館(旧勝田郡役所)
  •  「ドリーム・タイム」は15 万年の歴史があると伝えられるアボリジニの人たちの「チュクルパ」という言葉を英訳したもので、日本語だと「『過去・現在・未来』が渾然一体となった今」という意味です。
     夢は過去や現在や未来などの時間順序おかまいなしにやってきます。また、ずっとずっと昔に経験したことがまるで昨日のことのように突然思い出してしまうことさえあります。
     自分にとって本当に大切なことは、物理学上の時間 t の指示する順序にそって序列されることはありません。だから、思い出すことや身のまわりに存在するもの、出来事すべてを素直にそのまま受け止めたいと思います。
     そこから、次にすべき重要なことが見つかるといいと思います。

ギャラリートーク 岡本康明 × 岡部 玄

  • 2014年11月1日(土)
  • 14:00 開始
  • 旧勝央町郷土美術館2F(岡山県勝田郡勝央町勝間田635)
  • 入場無料
  • 岡本康明 YASUAKI OKAMOTO / 京都造形芸術大学教授
    元宇都宮美術館学芸課長。 展覧会では、1997年《森ニイマス》、1999年《恋する身体-A SENSE of REALITY》、2001年《ヴァイブレーションー結び合う知覚》など、彫刻やインスタレーションの展覧会を企画し、教育普及事業では主に美術館の森を場所 としたワークショップ「森であそぶ・森でつくる」を担当。 現在は京都造形芸術大学芸術館にて展覧会『縄文と現代』シリーズを企画担当している。

蝦名宇摩・蝦名蓮津
津軽三味線と奄美の島唄ギャラリーコンサート

  • 2014年11月15日(土)
  • 14:00 開始
  • 旧勝央町郷土美術館2F(岡山県勝田郡勝央町勝間田635)
  • 入場無料
  • 蝦名 宇摩 UMA EBINA / 津軽三味線師範
    鹿児島県奄美大島出身。秩父屋台囃を学ぶため単身上京。和太鼓、横笛を修得しながら、本場青森出身で津軽三味線の名手、蝦名流家元・蝦名伴主師範に津軽三味線・民謡・尺八・民謡太鼓を学ぶ。後、出身奄美の島唄、三線も修得。行田市民謡大会優勝、さらに同大会総合優勝。その他各地民謡大会にて優勝十数回。三味線では、第二回埼玉県津軽三味線大会にて優勝。 東日本大震災を経て、2人の子どもへの原発事故の影響を心配して岡山県に避難、住居を瀬戸内市長船町に移す。地域に津軽三味線のすばらしさを知ってもらおうと同市内中央公民館で三味線教室を開講。「放射能という見えない敵と戦っている福島の子どもたちや、いつまで続くか分からない避難生活を余儀なくされている人がいることを忘れないでほしい」というメッセージを込め演奏活動を展開している。地域のまつり、公民館行事や団体の式典・祝賀会、また、学校教育・医療関係の行事等に多数出演。出演回数は350を超える。現在、県内各地で反原発を呼びかけるとともに福島支援を行っている。

原 智彦
「HAIKAI」シリーズ突発編
だんすぱふぉーまんす with 勝央美術文学館

  • 2014年10月22日(水)
  • 15:00頃〜
  • 勝央美術文学館(展示室)
  • 原 智彦 TOMOHIKO HARA
    1946 年長野県生まれ。現在、名古屋市在住。
    1970 年、愛知県立美術館にて「ゴミ」を出品。大問題となる。その際、応援にかけつけた 岩田信市(ゼロ次元)氏と以後、原告として「ゴミ裁判」、「頭脳戦線」、「ロックオペラ」、 「名古屋市長選」等、行動を共にする。
    1978 年、寺山修司氏も参加した「大須大道町人祭」を実行委員長として立ち上げる。 1979 年、岩田氏と共にロック歌舞伎「スーパー一座」結成。一座はヨーロッパにて 230 回 もの公演を行い、国内では夏「大須オペラ」冬「大須師走歌舞伎」を中心に歌舞伎とオペラを こなし、名古屋で最も親しまれ、その夏・冬の公演は風物詩とさえなった。2008 年、30 年に 渡る一座の活動に終止符。
    近年より、歌舞伎役者を通して得た、身体(伝統力)を自在に操るユニークなオリジナ ルダンスパフォーマンスや、国内外の豊富な舞台経験を活かしたワークショップ、美術家・ 音楽家とのコラボレーション等も「HAIKAI」シリーズとして精力的に行っている。

作品展「風の姿・地の響」

① 物質と記憶

② KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

  • 2014年10月1日(水)〜 31日(金)
  • 10:00〜18:00(入館17:30まで)
  • 月曜日
  • 勝央美術文学館(展示室/特別展示室)
  • 常設展示 一般200 円、高校生・大学生 150 円、小学生・中学生 100 円、小学生未満・65歳以上 無料
    (10 名以上団体各区分2 割引) ※企画展・特別展はそれぞれ料金設定あり。
    詳しくは問い合わせ。
  • 3・11以降ずっと考えてきたこと、制作し続けてきたもの、などなどを整理して展示。

流木ドーム設営・展示

  • 2014年8月19日(火)〜 10月13日(月・祝)
  • 出雲街道勝間田宿 旧板屋庭園・蔵周辺
    (岡山県勝田郡勝央町勝間田701)
  • 板屋さんの蔵と庭がとても美しいと感じた。
    風雪に耐え傷跡を残して静かに佇む蔵の姿、石畳の配置してある庭の姿にひかれ、そのそばに流木ドームを置きたいと思った。
  • >制作過程画像アーカイブヘ

岡野弘幹コンサート “風の祈り”

  • 2014年10月13日(月・祝)
  • 15:00 開演
  • 岡部 玄「風の姿・地の響」流木ドーム内
  • 岡野弘幹 HIROKI OKANO / 音楽家・プロデューサー
    1964年兵庫県生まれ。 '90年、独・IC DIGITよりワールドデビュー。現在までに17のソロアルバムをリリース。 グループ活動では『風の楽団』『天空オーケストラ』を結成。 RAINBOW2000での細野晴臣氏との共演の他、セックスピストルズのプロデューサー、デイヴ・グッドマンに見出され、英国・グラストンベリーフェスティバル等に10年以上にわたり出演。911後のニューヨークやアフガニスタンでの慰霊・平和コンサートで演奏。'09年、地中海マルタ島の世界遺産ハイポジウム地下神殿で演奏・録音。2010年、上海万博大阪館への楽曲提供。国連大学にて皇太子御出席のもとでの演奏。2013 年正月、ネパールの世界遺産ボダナート寺院にて 3D マッピング映像とコラボレーションしたライブを行う。現在は「地球共鳴」をテーマに世界の聖地、自然遺産、全国の著名社寺での演奏を精力的に行っている。
  • ※台風19号の影響に伴い残念ながら中止となりました(2014.10.13)

ワークショップ “ウォーク イン ビューティー”

  • 2014年10月4日(土)
  • 10:30〜
  • 勝央美術文学館ギャラリー2
  • 参加無料
  • 年齢を問いません
    画材を準備する都合がありますので予約が必要です
  • からだの不思議について体験してみるワークショップ
>広域マップを見る

滞在制作及びミニ展示

滞在制作期間:2014年8月19日(火)〜 10月31日(金)

滞在・制作地:旧勝央町郷土美術館(旧勝田郡役所)

  • 勝間田の秘める文化力に学ぶことがいっぱいある。3ヶ月間精進します。
  • ※流木ドーム設営作業後は旧勝央町郷土美術館2Fで制作作業を続ける。
    街道祭から金時祭の期間1F展示室に作品を展示。(土・日・祝日公開)

G.Okabe

PROFILE

岡部 玄 Gen Okabe

1948年岡山県生まれ。
1987年、アトリエの掃除のときに、スズメの巣に出会う。
以来、スズメを師とあおぎ、制作活動を続ける。